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最高裁判所第二小法廷 昭和28年(あ)3678号 決定 1953年12月18日

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人杉崎安夫及び被告人の各上告趣意は、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(そして、盗犯等の防止及処分に関する法律二条四号にいわゆる夜間とは、天然の暦に従い日没後、日出前を意味し、従って四季及び地方の差異によって必ずしも一様ではない。また同号は、夜間人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若は艦船に侵入して犯したるとき、とあって、夜間は所定の場所に侵入して盗罪を犯すという包括的一事実に掛かり、侵入することと盗むこととが共に夜間に行われた場合は勿論、そのいずれか一方が夜間に行われた場合でも、同号の夜間侵入窃盗に当るものと解するを相当とする。原審の維持した第一審判決挙示の証拠によれば、被告人が常習として右の如き意味における夜間侵入窃盗の罪を犯したことを、優に認めることができる。)その他記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山 茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)

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